今日は終戦記念日。
マリア「今年も戦争体験者をお呼びして、戦争と平和に関する講演会を、我が学院の講堂で開きますの。」
飛鳥「平和学習ね。ということはこの日は登校日なんだ。」
マリア「そうです。今年は長崎で戦争を体験した80歳のシスターをお呼びしますわ。」
飛鳥「長崎か・・・。ところで、キメラの世界でも第2次世界大戦ってあったのか?」
マリア「もちろんありましたわ。細かいところは違いますが、日独伊同盟が敗戦国だというのは変わりません。日本がアメリカに、ハワイで宣戦布告したことも共通していますわ。」
飛鳥「へぇ。空襲とかあったのか?」
マリア「はい。しかし、人間の世界とは違い、キメラは生命力が高いので、戦死した方は人間より少なかったのです。沖縄でも、東京でも、神戸でも、広島でも、長崎でも。」
飛鳥「どうやって生き延びたんだ?」
マリア「特殊能力が使えるキメラは、それを使って攻撃を防いだり、治癒力を高めたりして、何とか生きてました。犠牲になったキメラは、能力が適さないキメラばかりで・・・。沖縄戦の場合は、シーサーの能力のキメラがいましたから、アメリカのグリズリーのキメラや戦車と対等に戦うことが出来ました。原爆が落とされた広島や長崎では、クマムシの能力を持ったキメラが生き残りました。空襲警報があった際に、体を乾燥させて、熱や放射線に耐えられる体になったからですね。」
飛鳥「・・・これだけ聞いてると、いかに人間がもろい生き物かがわかるな。」
マリア「人間世界でも、戦争に参加して、人知れず活躍したキメラがいます。公にならないのは、文書を公表しないからですね。多分極秘だと思いますから。」
飛鳥「でも、負けたんだよな。」
マリア「ええ。」
飛鳥「俺さ、平和学習ちょっと毛嫌いしてたんだよな。あんなつらい話、聞きたくないから。でも、それは大事なことなんだって最近分かってきたんだ。平和のためにこれは忘れてはいけない。戦争の犠牲者は、もう増やしたくないからな。」
マリア「・・・。」
飛鳥「でもさ、キメラに平和学習って、必要なのか?って鏑木さんの話で思っちゃった。キメラすげぇじゃん。ほぼ無敵じゃん。」
マリア「あ、あの!だから犠牲になったキメラはたくさんいるわけで、生き延びたキメラは極僅かしかいないんですわ!!」
飛鳥「キメラすげぇ。」
マリア「・・・せっかくの平和学習が台無しですわ。」
完
あとがき
美紗さん誕生日おめでとうございます。
本日は終戦記念日と言うわけで、戦争に関するSSを書いてみました。
いかがでしたか?キメラの世界の第2次大戦がどんなものだったのかが、少しは理解できたかと思います。
最近私が思ったことなんかも、このSSで繁栄してもらっています。
美紗さんがよい1年を過ごせますように!!